故人が望んだ意思はできるだけ尊重したいのが、残された家族の気持ちだと思います。
故人が臓器提供や献体を望んでいた場合の対処方法や流れを確認しておきましょう。
尊厳死や臓器提供とはいえ流れがわからない
■ なにをしていいのかわからない
■ 家族はどう対処していけばいいの?
■ 通夜や葬儀はどうなるの?
故人が臓器提供を希望していたら

臓器提供の言葉は聞いたことあるけど、実際はどういうものなのか?
臓器提供とは、心臓が停止または脳死となった場合に健康な臓器を移植を待っている方に提供することをいいます。
臓器提供の意思表示は生前に書面で表示することができます。
故人が臓器提供を望んでいた場合は、医師や日本臓器移植センターに連絡することになります。
臓器移植をするためには、死後6時間以内に臓器を摘出しなければならないため、事前準備が大切になります。また、遺族の同意も必要となることから生前のコミュニケーションが大切になります。
臓器提供意思表示カードを持っている場合は事前に医師に申し伝えておきましょう。
臓器提供の意思表示は、健康保険証・運転免許証・マイナンバーカード・意思表示カード・インターネットによる意思登録で可能です。
臓器提供意思表示カードはどこで手に入る?
臓器提供意思表示カードは下記の場所を探してみよう
・市役所
・各区役所
・各区保健センター
・公民館
・各区民文化センター
・各区スポーツセンター
・病院
・薬局
・郵便局
・コンビニエンスストア
など意外といろいろな場所で入手可能です。
故人の意思も大事だけど遺族内での話し合いも大事
臓器によっては摘出に数時間かかることもあり、カラダに傷も残ることもあるため、故人に傷をつけたくないと思う遺族もいると思います。
臓器摘出後は通夜、葬儀や告別式を通常通りおこなうことができます。
たとえ故人が臓器提供を望んだとしても遺族内で意思がまとまらない場合は臓器提供を拒否することもできます。
生前によく話し合い、家族の意思統一が大切になるのも事実です。
故人が献体を希望していたら
献体とは、医学・歯学の大学における解剖学の教育や研究に役立たせるため、自分の遺体を無条件・無報酬で提供することをいいます。
「自分の死後、遺体を医学・歯学の教育と研究のために役立てたい」とこころざした人が、生前から献体したい大学またはこれに関連した団体に名前を登録しておき、亡くなられた時、遺族あるいは関係者がその遺志にしたがって遺体を大学に提供することによって、はじめて献体が実行されることになります。
遺族は遺体を大学に提供する手続きをおこないます。この時には遺族の同意が必要となるため、希望される場合は生前に家族と話し合いをしっかりとおこないましょう。
故人が献体への登録を済ませておいたとしても、遺族に反対する方がいる場合は献体することができません。
献体する遺体は大学に2~3年預けることになり、遺骨として家族の元に帰ってくることから、家族の理解が大切になります。
献体を希望した場合の通夜と葬儀はどうなるの?
献体を希望した場合は、通夜・葬儀をおこなった後で大学に提供することが可能となります。
出棺後に火葬場に向かわずに、大学に搬送されます。
四十九日の法要や納棺については遺体がないため、遺族間で話し合いをしておくことが必要です。
費用面では一般的に大学への遺体の搬送費用や火葬費は大学側が負担することが多いようです。
通夜や葬儀については遺族の実費となります。
まとめ
生前のコミュニケーションがとても大切になします。
いくら本人が臓器提供や献体への意思表示していたとしても、遺族の理解と同意がなければ実現することは叶いません。
会話としてはなかなか触れにくいことではありますが、もしも希望するのであれば、しっかりしている間に準備と家族の理解を得ておきましょう。
